オフチェーン
オフチェーンとは、メインのブロックチェーンネットワークの外部で行われる暗号資産のトランザクションや処理のことです。こうした処理はメインチェーンを補完する仕組みや外部システムが担い、最終的な決済結果だけが基盤となる
ブロックチェーンに記録されます。
ブロックチェーンが抱える主要な課題の一つが
スケーラビリティです。分散型の
コンセンサスアルゴリズムによる取引検証は、中央集権的な処理に比べて速度の面で劣る傾向にあります。オフチェーンソリューションは、データの一部をメインチェーンの外部で処理することでスループット(処理速度)を向上させ、ネットワークの
混雑を緩和し、コストを削減します。
オフチェーントランザクションとは、第三者による保証やその他の手段を用いて行われる価値の移転のことで、ブロックチェーンに記録されるのは残高の最終的な状態のみです。ネットワークの
ノードによる検証を経ないため、手数料の低さや処理の速さといった利点があり、日常的な買い物のような少額決済に適しています。
レイヤー2ソリューションとは、既存のブロックチェーンの上に構築され、そのスケーラビリティの向上を目指すプロトコルです。ステートチャネルやサイドチェーン、ロールアップといった仕組みを用いて、オフチェーンでの価値移転を可能にします。
ビットコインにおいて広く利用されているレイヤー2ソリューションの一つが
ライトニングネットワークであり、ステートチャネルを用いてオフチェーントランザクションを行います。このチャネルは、実質的に2-of-2の
マルチシグウォレットであり、当事者双方が合意した場合にのみ変更できます。ビットコインのブロックチェーンに記録されるのはチャネルの開設と閉鎖のトランザクションのみで、それ以外はすべてオフチェーンで処理されます。これにより、ネットワーク全体による検証を必要とせずにスループットを高め、トランザクション手数料を抑えることができます。
オフチェーントランザクションがメインチェーンの外部で行われるのに対し、オンチェーンはブロックチェーン上で直接行われる処理のことです。オンチェーントランザクションはネットワーク参加者による検証を必要とし、チェーンに記録されて初めて確定します。両者の主な違いは次のとおりです。
処理速度とスケーラビリティ
オンチェーントランザクションは検証を経てブロックに取り込まれる必要があり、ビットコインの場合は約10分かかります。オフチェーン決済では、
マイナーやバリデーターの処理を待つ必要がありません。そのため処理速度が大幅に上がり、少額決済に特に向いています。
プライバシーとセキュリティ
オンチェーントランザクションでは、ハッシュ化や暗号技術といったブロックチェーン標準のセキュリティ手法が用いられます。オフチェーン決済を提供するプロジェクトは、決済の偽造や改ざんを防ぐために、独自のセキュリティ体制を整える必要があります。
コストと手数料
オンチェーントランザクションには、マイナーやバリデーターがトランザクションをブロックに取り込むインセンティブとなる手数料が発生します。オフチェーントランザクションはオンチェーンでの即時承認を必要とせず迅速に処理できるため、コストや手数料を抑えられる場合があります。