えー、ようこそのお運びで。昔は芝居の前売りに木戸の前へ並んだもんですが、いまは「未来の値段」の前売り券までスマホで買えるそうでございます。
2026年10月20日、老舗の暗号資産企業Blockchain.comが、自分とこのアプリでオプション取引を始めはった。ビットコイン、イーサリアム、ソラナなど7銘柄の一角にTRX。TRON DAOは翌21日に歓迎の声明、28日には米メディアThe Blockにも載ったという、めでたいお話で。
さて、喜六と甚兵衛はん。
「甚兵衛はん、オプションて何でんねん」
「早い話が未来の前売り券や。上がると読んだらコール、下がると読んだらプット。当たったら払い戻しが膨らむ、外れたら券代が消える。それだけのこっちゃ。決めるのは、どっちへ、いつまでに、なんぼ投じるか、の三つだけ。画面には『Above』と『Below』、上か下かしか書いてへん」
「上か下かなら、わしでもできそうですな」
「支払いはUSDCで前払い、満期は長うて1週間、5ドルから。証拠金取引やないさかい追証もない。損は払うた額と手数料まで。ただし途中では降りられへん。儲かってても満期まで持ち切りや」
「しかも売り場が大きい。Blockchain.comは2011年に世界初のビットコイン・ブロックエクスプローラーとして生まれて、いまや70超の法域に4400万超の確認済アカウント。2022年にTRXの現物を並べた店が、4年経って今度はTRXの『未来』を棚に並べたんや。今年のTRONを並べてみ。1月にコインベース傘下のデリビットでTRXオプション、7月に米CFTC規制下のBitnomialでTRX先物、9月に米国初のステーキング型TRX ETF『TRXS』がCboeに上場。Anchorage Digitalのカストディとステーキング、Securitize経由のHamilton Laneのトークン化ファンド、S&P Pantera指数への採用もある。上からは機関投資家、下からは町の衆、両側から入口を掘っとるんや」
「なんでまた先物やオプションでんねん」
「損を限る道具のない品に、大きいお金は乗らん。先物とオプションは、大人の金融商品の通行証や。おまけにTRONは総アカウント4億1100万超、累計取引150億件超、累計送金額30兆ドル超、USDTは940億ドル超と、決済の道をもう敷き終えとる。決済の実需、品揃えの厚み、4400万口座の売り場、この三つが噛み合うたら、TRXはポートフォリオに組める資産に化けるんや。次は米国。Blockchain.comは10月13日にCFTCへ登録を申請しとる。アメリカの衆に扉が開くかどうかが、次の大一番や」
「よう分かりました。ほな甚兵衛はん、わしは迷わず『Above』で」
「えらい自信やな。なんでや?」
「そら、わしら上方の者でっさかい。下へは張られしまへん」
オプションとは、未来に値札を付ける商いでございます。TRONはいま、己の未来に値札を付けてくれる店を、世界中で一軒ずつ増やしております。上か下かのお見立ては皆さまにお任せして、ちょうどお時間と相成りました。続きは次回のTRON落語噺にて。