えー、ようこそのお運びで、厚う御礼申し上げます。

世の中ちゅうのは妙なもんでしてな。あんさんが買える株や債券は、腕前やのうて住所で決まってまう。これが2026年の金融のほんまの姿やそうで。この「住所の壁」を崩したろ、ちゅう相談が9月末のソウルでおました。この話を横町の甚兵衛はんから聞いた喜六が、なんや知らん、えらい目ぇ輝かせよる。普段は銭の話になると逃げ回る男がでっせ。わけは、また後ほど。

舞台は韓国ブロックチェーンウィーク2026。FACTBLOCKが9月30日から10月1日まで開いた、アジア最大級のデジタル資産の寄り合いでおます。そのBitGoステージのパネル「More Assets, More Geos: How RWAs Are Eating the World」で仕切り役を務めたんが、TRON DAOのリサーチマネージャー、サム・レイノルズ。脇を固めるのはテザー社のトークン化拡大責任者、PancakeSwapのCEO、Jito Foundationのプレジデントちゅう顔ぶれや。

ほな、RWAてなんや。国債や株、不動産、金ちゅう、世の中にほんまにある値打ちもんを、ブロックチェーンの上のトークンに置き換えたもんでおます。紙の権利証がデジタルの「引換券」に化けて、24時間、国境越えてやりとりできる。

レイノルズの言い分は明快や。住む所で投資の品揃えが決まる今のありさまを、トークン化は変えられる。ステーブルコインは「トークンになったドル」がどれだけ欲しがられとるかを、もう証明した。ドルを求める世界の声が、TRONを世界のUSDT取引量の過半数が集まる場所にしたんやと。

TRONの上のUSDTは940億ドル超、総アカウントは4億600万超。身近なドルで「国境またいで使える」をもうやってみせとる。せやさかいTRON DAOは、このドルへの慣れを足場に、ほかの金融資産へ間口を広げる算段でおます。

数字も背中を押してくれまっせ。RWA.xyzによると、10月6日時点でステーブルコインを除くトークン化資産はおよそ388億ドル、持ち主は30日でおよそ43%増えた。かたやステーブルコインはおよそ2,952億ドル。ドルのトークンは、ほかのRWAのざっと7.6倍の図体や。道はもうでけとるんでおます。

場所選びも心憎い。韓国は2026年1月に資本市場法と電子証券法の改正案を通して、2027年2月4日に施行。金融委員会は9月、株・債券・ファンドへトークン化を広げ、仕上げにステーブルコイン連動のオンチェーン決済基盤をこしらえる、三段構えのロードマップを出しはった。TRONは、RWAが一番の食べ頃の土地でマイク握ったわけですわ。

もっとも、パネルも浮かれてばっかりやおまへん。トークン化資産を国境越えて手軽に手に入れ、売り買いし、使えるようにする。普及に要る流動性と、投資家の信用を築く。これがほんまの宿題やと。問題は技術やのうて「使われる仕組み」でおます。

さて、実はこの筋書き、200年前にいっぺん起きてますのや。

1818年、ロンドンのネイサン・ロスチャイルドちゅうお人が、プロイセン政府のために500万ポンド、利率5%の公債を出しはった。工夫は二つ。一つは、プロイセン通貨のターラーやのうて当時の基軸通貨ポンドで出し、利息もロンドンなんかでポンドで受け取れるようにして、為替の心配をぐっと減らした。もう一つは、ロンドンに加えてフランクフルト、ベルリン、ハンブルク、アムステルダム、ウィーンで、いっぺんに売り出したことでおます。

イギリスの旦那衆にしたら、遠いプロイセンの国債なんぞ「ようわからん外国の紙」や。それをなじみのポンドでくるんで、自分の町で利息が受け取れるようにした途端「買える資産」に早変わり。歴史家ファーガソンは、これを完全に国際的な債券市場へ向かう大きな一歩と評してはる。数年でこのやり方が当たり前になり、ばらばらやった欧州の金融市場が一つにつながったんでおます。

並べてみたら、ようでけてまっせ。ターラー建ての公債が「住所に縛られた資産」。ポンドが今のドル、つまりUSDT。フランクフルト、ウィーン、ロンドン、ナポリ、パリに散らばったロスチャイルドの拠点網が、どこでも24時間決済できるブロックチェーン。ロスチャイルドが発明したんは債券やない。「なじみの通貨」と「受け取れる場所」、つまりアクセスそのものやったんですな。

歴史にはもう一つ教訓がおます。国際債ブームが過熱した末の1825年恐慌で、ロスチャイルド家の痛手は、ほかの投資家よりはるかに軽かった。信用を積んだ者だけが嵐を越えられる。パネルが流動性と信用を宿題に掲げたんは、まさにこの急所でおます。

と、甚兵衛はんが話し終えますと、

喜六「ほな甚兵衛はん、住所が投資を決める時代は、じきにおしまいでんな」

甚兵衛「そういうこっちゃ。今のポンド役はUSDT、一番太い道を持っとるのがTRONや。扉を開ける鍵は新しい資産やない。誰でも知ってるドルと、誰でも通れる道や。それにしても喜六、なんでそない嬉しそうなんや」

喜六「へえ、実は先月、家賃溜めて長屋を追い出されましてん。いま住所がおまへんのや」

甚兵衛「目ぇ輝かせとったんは、それかいな。せやけど、ドルがなかったらどうにもならんで」

喜六「ドルはおまへんけど、道やったら任しとくなはれ。毎晩そこで寝てまんねん」

住所の壁は道が崩してくれても、信用の壁だけは自分で積むしかおまへん。家賃溜めとる喜六に足らんのは、住所より先にそっちでしたな。お後がよろしいようで。

#TRON #TGF #TRONGlobalFriends