ブルームバーグによると、ドイツ銀行のアナリストによる最近の調査で、ステーブルコインの将来について懸念が高まっているという。1800年まで遡る334の通貨ペッグを調査したこの調査では、ほとんどのステーブルコインが失敗する可能性が高いという結論が出ている。ドルなどの法定通貨と1対1の価値を維持することを目指すステーブルコインは、暗号通貨取引の重要な部分を占めている。ステーブルコインは、初期段階の市場における不安定な価格変動からユーザーを守る安全な避難場所を提供している。

潜在的リスクの顕著な例として、2年前にテラフォームラボのアルゴリズムステーブルコインTerraUSDとその姉妹トークンLunaが崩壊し、少なくとも400億ドル相当の暗号通貨が失われた。これら2つのコインは、価値を維持するために相互に依存するように設計されていた。アナリストらは、生き残った数少ない成功したペッグ通貨は、信頼性があり、準備金に裏付けられ、厳密に管理されたシステムで運用されていたため生き残ったと指摘した。これらは、多くの主要なステーブルコインに欠けている3つの要素である。

研究チームは、投機がはびこり透明性に欠けるステーブルコイン市場で独占状態にあるテザーについて特に懸念を表明した。テザーは、CFTCおよびニューヨーク州との和解後、四半期ごとに準備金の証明書を発行している。研究者らは、一部のステーブルコインのペッグ解除率が30%であることには驚いておらず、廃止されたステーブルコインの多くは説明が難しいと指摘した。

テザー社は、この報告書に対して「厳密な分析ではなく曖昧な主張に頼っており、明確さと実質的な証拠に欠けている」と反論した。同社は、この報告書は主張を裏付ける具体的なデータを提供していないと主張した。

研究者らは、異なる理由で導入されたにもかかわらず、重要な類似点があるため、通貨ペッグを研究対象に選んだ。データベース内の固定通貨の 49% が失敗し、失敗または廃止された通貨の平均寿命は 8 ~ 10 年であることがわかった。この研究では、マクロ経済要因がペッグの持続可能性を決定する鍵であり、ガバナンスと投機筋の力に関する問題がペッグ解除の可能性を示す可能性があると結論付けている。