2026年10月6日、TRON DAO Researchが「State of TRON Q3 2026」を公開した。今日はその中身を分かりやすく解説しよう。
1️⃣30,000,000,000,000
ゼロが13個並んでいる。30兆ドルだ。TRONの累計取引額は9月23日、この大台を超えた。日本の名目GDPのざっと7年分が、ひとつのチェーンを通過したことになる。
Q3だけでもステーブルコイン決済額は2.21兆ドルで、前期比5.1%増。1日平均240.5億ドル。1秒あたり約28万ドルが、いまこの瞬間も流れている。信じられない数字だ。
2️⃣18,000,000
次はユーザーだ。月間アクティブアドレスの平均は1,640万から1,800万へ、9.8%伸びた。面白いのはここからである。新規アドレスの作成は1日平均約17.9万件と、3.5%減っている。新顔が殺到したのではない。一度使った人が、何度も戻ってきているのだ。レポートは人数や定着率を直接測る指標ではないと注記している。それでも「使われ続けるネットワーク」の輪郭ははっきり見える。取引件数は約11億件で前期並み、前年同期比では33.7%増だ。
3️⃣マイナス4%
そして、私が一番好きな数字。手数料収入は四半期で7億140万ドル、1日平均762万ドルと4.0%減った。1件あたりの平均手数料も0.668ドルから0.643ドルへ下がった。同じ期間、ビットコインは40%上昇している。市場が沸騰する中で値下げをしたインフラ。こんなインフラは他にない。
4️⃣3つの新製品
さて、今日は3つの新しいものを紹介する。
1つ目は、証券口座で買えるTRX。9月9日、Canary CapitalがTRX現物とステーキング報酬を組み合わせた米国初のETF「TRXS」をCboe BZXに上場させた。秘密鍵もウォレットも要らない。
2つ目は、TRXを持たずに送れるUSDT。MoonPayがネットワーク手数料用のTRXを保有せずに済む取引を導入し、Trust Walletが最初の提携先となった。
3つ目は、生体認証で動くウォレット。27人のスーパー代表のうち25人が賛成した提案107により、Pyrrhoアップグレードの機能が有効化された。Apple Secure EnclaveやAndroid Keystoreが生むパスキー署名を、スマートコントラクトが直接検証できるようになったのである。
証券口座のTRX。TRX不要の送金。パスワード不要の署名。
お分かりだろうか。これは3つの製品ではない。ひとつの製品だ。
その名は「ブロックチェーンを意識させないブロックチェーン」。
電気を使うたびに発電所を思い浮かべる人はいない。蛇口をひねって浄水場に感謝する人もいない。最高のインフラとは、忘れられるインフラだ。手数料の値下げも同じ思想の上にある。通行料を意識させない道路ほど、車は増える。
5️⃣最後に
この物語には裏面がある。TRXの焼却が新規発行を相殺した割合は、前期の75.6%から65.1%へ下がり、四半期で約1.26億TRXの純増発となった。ネットワークが透明になるほど、人はTRXに触れなくなる。では、価値はどこに宿るのか。
答えは、流通量の約48%を占めるステーキングと、それを制度の器に収めたTRXSにある。TRXは「支払いのためのコイン」から「インフラの持ち分」へと生まれ変わろうとしている。
財布の中の小銭から、発電所の株券へ。
これこそがQ3、本当の新製品だ。
30兆ドルはゴールではない。ブロックチェーンが見えなくなる日への、カウントダウンである。次に誰かがUSDTを送るとき、その人はTRONという名前すら知らないかもしれない。それこそが、TRONの勝利の形だ。
State of TRON Q3 2026: TRON Passes the $30 Trillion Mark - TRON DAO: Moving Trillions, Empowering Billions
https://trondao.org/research/state-of-tron-q3-2026-tron-passes-the-30-trillion-mark